オーガニック食品の安全性

海外セレブが火をつけ、今では世界中の美女たちが好んで選んでいる「オーガニック」食品。オーガニックと聞くだけで身体に良さそう、安全性が高いというイメージを持ちますが、実際のところオーガニック食品が身体にもたらすメリットとはどんなものなのでしょうか?

最近の世界的な食のトレンドは「ヘルシー」であることが絶対条件!
日本でもココナッツオイルやチアシードなど、スーパーフードと呼ばれる食品の裾野がかなり広がってきており、美容アンテナ感度の高い人たちだけでなく、全国津々浦々の老若男女までが取り入れるようになってきていますよね。
こうしたブームは食品自体が持つ効果に人気が集まっていますが、それと同時に農薬や添加物など食の安全性についても高い関心が寄せられています。

オーガニック食材の定義について

オーガニックとは日本語で「有機栽培(有機農業)」のこと。
「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」です。

①有機農産物:農薬と化学肥料を3年以上使用しない田畑で、栽培したもの。
②転換期中有機農産物:同6ヶ月以上、栽培したもの。
と、法律により定義されています。
国際的な規模で有機農業推進活動を行っているIFOAM( 国際有機農業運動連盟) は、オーガニックの原則として「生態系」「健康」「公正」「配慮」の4項目を掲げています。

オーガニックは安全?危険?

実際にこういう疑問を持っている方は多いようです。
ことさらに、オーガニック食品は「安全」とアピールする人が多いから、こういう質問がでてくるのでしょうか? 結論を先に言えば、オーガニック食品はスーパーなどで並べられている一般の食品より安全です。

正確を期せば、「安全性が高い」あるいは「危害リスクが低い」と言うべきなのでしょうが、敢えて一般の食品と比べた場合には、安全だと言い切ってしまいます。
食品の安全は、3つの危害要因(異物などの物理的危害、菌類などの生物的危害、農薬や重金属等による化学的危害)が一定以下に抑えられているときに実現します。
このうち、物理的危害と生物的危害は、食品衛生法の下ですべての食品の安全性が担保されており、オーガニックが特別すぐれているわけではありません。しかし、化学的危害リスクは明確に異なります。

オーガニックは、田畑で使う資材をはじめ、加工食品の添加物についても、可能な限り化学的なものを排除していますから、化学的危害リスクは一般の食品に比べて極めて低くなっているのです。
そうは言っても、オーガニックは「化学物質不検出」を保証するものではありません。
そもそも危害リスクが皆無の食品など存在しません。
あくまでオーガニックと一般食品の化学的危害リスクを比較した場合に「安全」ということです。

というわけで、オーガニック=ゼロリスクは、過剰な期待といえるでしょう。

オーガニックは高価?

まず、外国産と国産を比べた場合、日本は人件費や資材費、燃料費など生産に係るコストが高いため、価格が割高になるのは当然です。
しかし、国産のオーガニックと一般を比べた場合、すべての品目で前者が割高とは限りません。
例えば、1000円/100gを超える高級煎茶のほとんどは、オーガニックではなく一般品です。

もし、日本のオーガニック食品が高いとするなら、先に挙げた要素のいずれか(または幾つか)が作用しています。
オーガニック茶が、1000円/100gをなかなか超えられないのは、消費者の多くがねっとりとした甘みのある茶(窒素過剰な土地で育つ)を高級と判断するためで、市場性が関係しています。

健全な環境を生成するオーガニック食材

オーガニックが農地の生態系維持や環境にも、良い影響をもたらしてくれることを忘れてはなりません。
人間だけでなく動植物、虫、微生物などすべての生き物に対して、健全な環境を作ることに役立っています。
生態系が壊れてしまうと結局困るのは人間ですから、オーガニックの意義について考えてみることも大切ですね。